目が見えなくても、光を感じられる ― 盲目の犬ロコと2匹の忠実な友達の物語

ある朝の柔らかな光の中、ふと目にしたのは、一列に並んで廊下を歩く三匹の犬。それぞれ異なる色の毛並みに包まれたスノー、アロハ、ロコ。彼らの足並みは、まるで息を合わせるように静かで美しいのに、その中にどこか危うさも感じてしまう。

ロコは目が見えない。でも、その世界には孤独や不安だけじゃなく、二匹の心強い仲間——スノーとアロハ——がいる。最初の頃はほんとうに大変だった。ロコはスノーにぶつかったり、アロハの尻尾をおもちゃだと勘違いして噛んでしまったり。お互い戸惑いながらも、すぐには仲良くなれなかったのが正直なところ。

それでも、時間とともに変化が。スノーは、ロコに「ここはだめだよ」と優しく合図を送り、アロハはそっと寄り添い、ロコの歩調に合わせてくれた。ルールを学び合い、失敗しながら前に進んだ日々。階段だって難関だったはずなのに、心臓が弱いスノーが勇気を出して手すり側に立ち、三本足のアロハも自分を犠牲にしてロコを守る。

ロコは、見えないけど感じている。仲間たちの足音や息遣い、声や温もり。だから、自然と呼吸を合わせて、階段も渡れるようになったんだよね。

気付けば、不完全さがむしろ絆になる。三匹“だからこそ”叶った奇跡のような調和。完璧じゃなくてもいい、お互いに寄り添って、支え合ってゆく。そんな日常の中に、犬たちが織りなす光の物語が広がっていました。

「不完全」なはずの命同士が寄り添い、力を合わせて歩いていける。そんな姿は、私たち人間にもやさしく勇気をくれました。今日もまた、あの三匹の静かな冒険が、誰かの心をあたためているのかもしれません。